ラストオーダーの受付終了後、佐保さんを従えてキッチンに入ってきた田辺さんは、さっそくアップルパイの試作に取り掛かった。
食材が入ったバットを作業台に置いて、ボウルに卵と砂糖を良く混ぜあわせ、カスタードクリームを作っている。
いつになく真剣な表情からは、普段気怠そうに仕事をしている田辺さんとは思えなかった。
私もうかうかしていられない。
早く片付けを終わらせて作り始めなきゃ。
するとそこに、回収してきたお皿を洗い場に置きにきた井浦さんが言う。
「瑞奈ちゃん、片付けは私とバイトの子で終わらせるから、作り始めてていいよ」
「えっ……でも!」
「いいから。頑張って」
「……ありがとう」
お礼を言うと、井浦さんは返事をする代わりに笑って頷き、洗い場へ戻っていった。
食材が入ったバットを作業台に置いて、ボウルに卵と砂糖を良く混ぜあわせ、カスタードクリームを作っている。
いつになく真剣な表情からは、普段気怠そうに仕事をしている田辺さんとは思えなかった。
私もうかうかしていられない。
早く片付けを終わらせて作り始めなきゃ。
するとそこに、回収してきたお皿を洗い場に置きにきた井浦さんが言う。
「瑞奈ちゃん、片付けは私とバイトの子で終わらせるから、作り始めてていいよ」
「えっ……でも!」
「いいから。頑張って」
「……ありがとう」
お礼を言うと、井浦さんは返事をする代わりに笑って頷き、洗い場へ戻っていった。