*
目が覚めたのは朝の五時をまわった頃だった。
玄関で靴も脱がずに寝ていたからか、体が悲鳴を上げている。
ぼーっとする頭で、夢に出てきた金髪の少年が頭をよぎる。顔はぼんやりとしか覚えていないけど、話したことは鮮明に残っている。
彼は一体何者なんだろう。
「……さむっ」
日中は比較的に暖かいのに、朝方はひどく冷え込んでいる。
ひとまず立ち上がって部屋に入り、適当に着替えを持って風呂に向かった。
寝起きの頭をスッキリさせたところで、キッチンに立つ。
なぜか無性に甘いものが食べたい気分だった。
ホットサンドメーカーに食パンを置き、作りすぎたリンゴのコンポートとシナモン、サワークリーム。その上に食パンを置いて挟んで一分。
半分に切って皿に盛れば、簡単なデザートホットサンドの出来上がり。
その横で作っていた千切りキャベツ人参、コンソメで作ったスープをよそって、朝食の完成だ。
かなり偏ったものになったが、冷蔵庫に埋め尽くされたリンゴの消費をしていかなければならない。しばらくはリンゴ三昧だ。
ホットサンドを頬張ると、リンゴの甘酸っぱさが口の中に広がった。サワークリームとの相性も抜群で、アクセントのシナモンも丁度良い。
スープもキャベツのシャキシャキ感を残し、彩りの為だけにいれた人参も温かい味に仕上がっている。今度はスライスした玉葱も入れるのも良いかもしれない。
適当にテレビをつけると、最近頻発している火事のニュースが報道されていた。
今まで火の消し忘れだと言われてきた事件が一転、連続放火犯の仕業だと断定されたらしい。
「……ん?」
テレビ画面に映し出された、火事の映像に目を向ける。
住宅街の一軒家が全焼しており、周りには近所の住民とテレビスタッフが駆け付け、燃えていく家を見つめている。
消防団が懸命に火を消そうとしているその傍らで、明らかに怪しげな雰囲気を漂わせた黒のローブ姿の少年が一瞬だけ映った。炎の光で反射した金髪、耳元で何か光ったようにも見えたが確証はない。
そこで不思議だったのは、あんなに火の傍にいたのに誰も彼に声をかけていなかったことだ。
「……まさかね」
目を擦っても、テレビは次のニュースを伝えていた。
きっと何かと見間違えたんだろう。
私はまた一口ホットサンドをかじって、温かい紅茶をマグカップに注いだ。
目が覚めたのは朝の五時をまわった頃だった。
玄関で靴も脱がずに寝ていたからか、体が悲鳴を上げている。
ぼーっとする頭で、夢に出てきた金髪の少年が頭をよぎる。顔はぼんやりとしか覚えていないけど、話したことは鮮明に残っている。
彼は一体何者なんだろう。
「……さむっ」
日中は比較的に暖かいのに、朝方はひどく冷え込んでいる。
ひとまず立ち上がって部屋に入り、適当に着替えを持って風呂に向かった。
寝起きの頭をスッキリさせたところで、キッチンに立つ。
なぜか無性に甘いものが食べたい気分だった。
ホットサンドメーカーに食パンを置き、作りすぎたリンゴのコンポートとシナモン、サワークリーム。その上に食パンを置いて挟んで一分。
半分に切って皿に盛れば、簡単なデザートホットサンドの出来上がり。
その横で作っていた千切りキャベツ人参、コンソメで作ったスープをよそって、朝食の完成だ。
かなり偏ったものになったが、冷蔵庫に埋め尽くされたリンゴの消費をしていかなければならない。しばらくはリンゴ三昧だ。
ホットサンドを頬張ると、リンゴの甘酸っぱさが口の中に広がった。サワークリームとの相性も抜群で、アクセントのシナモンも丁度良い。
スープもキャベツのシャキシャキ感を残し、彩りの為だけにいれた人参も温かい味に仕上がっている。今度はスライスした玉葱も入れるのも良いかもしれない。
適当にテレビをつけると、最近頻発している火事のニュースが報道されていた。
今まで火の消し忘れだと言われてきた事件が一転、連続放火犯の仕業だと断定されたらしい。
「……ん?」
テレビ画面に映し出された、火事の映像に目を向ける。
住宅街の一軒家が全焼しており、周りには近所の住民とテレビスタッフが駆け付け、燃えていく家を見つめている。
消防団が懸命に火を消そうとしているその傍らで、明らかに怪しげな雰囲気を漂わせた黒のローブ姿の少年が一瞬だけ映った。炎の光で反射した金髪、耳元で何か光ったようにも見えたが確証はない。
そこで不思議だったのは、あんなに火の傍にいたのに誰も彼に声をかけていなかったことだ。
「……まさかね」
目を擦っても、テレビは次のニュースを伝えていた。
きっと何かと見間違えたんだろう。
私はまた一口ホットサンドをかじって、温かい紅茶をマグカップに注いだ。