「卑劣な手を使いおって!ただじゃおかん!」
復活したダーシャが両手を広げると、2人を取り囲んでいた炎が彼女の両手に集まって行く。その炎が再び巨大な爪へ変化すると、彼女は盗賊達に向かって走っていった。
盗賊はまた人質を取るため村人に接近しようとするが、ダーシャは怒りに任せて戦っていた先程とは違い、村人達を守るようにして戦うようになっていた。
彼女が盗賊達を圧倒している隙に、ウォリーは毒で苦しんでいる村人に解毒マンと回復マンを使って復活させて周っていた。
「冒険者ばかりに戦わせておけねえ!俺達が村を守るんだ!!」
ウォリーによって復活した村人達は倉庫から武器や農具を手に取って一斉に盗賊達への反撃を始めた。
「くそっ!何がどうなってる!!」
次々に復活していく村人達を見てゴメスは焦りの表情を浮かべる。
強力なダーシャの能力に加えて、大勢の村人が加勢して人数面でも盗賊側が劣勢に立たされた。
「退くぞ!お前ら!退けえー!」
ゴメスは勝てないと見て遂に撤退命令を部下達に下した。
盗賊達が村の外へ一斉に走って行く。
しかし、逃げようとする盗賊の頭上に火球が降り注ぎ次々に彼らを焼いていった。
ゴメスが顔を上げると、黒炎の翼を広げた魔人が怒りの表情で見下ろしていた。
「外道どもが!誰1人として逃がさん!!」
ダーシャは金色の瞳をギラつかせながら次々火球を吐き飛ばしていく。
「この魔人族がああああ!!」
そう叫ぶゴメスの背後へ、ウォリーが走って行く。
盗賊マンを発動し気配を消した彼は、ゴメスに気付かれる事なく攻撃範囲まで接近した。
ウォリーの剣が、ゴメスのアキレス腱を断つ。
「ぐあぁ!?貴様いつの間に!?」
ウォリーは縄を手に取り、それを痛みで倒れるゴメスに巻き付けた。
盗賊マンで手先の器用さが上がっている彼は、あっという間にゴメスを縛り上げ動けなくしてしまった。
盗賊達は大勢の村人に囲まれ、逃げようとしても頭上のダーシャから狙い撃ちにされ、加えてリーダーのゴメスまでもがやられた事で完全に戦意を喪失した。
彼らは武器を地面に捨て、両手を上げて降伏した。
これにより、盗賊達との戦いは完全に決着した。
冒険者や村人達は歓喜の叫びを上げた。
ダーシャも黒炎を解除して地上に降り立った。
縛られていた村人達も次々に解放されていき、彼らは冒険者達の周囲に集まって口々に礼を言っている。
あちこちで歓喜の声が上がっている中で、突然ウォリーが力が抜けたかのように膝を折り倒れ込んだ。
周囲に居た村人達が慌てて彼を支える。
ダーシャもそれに気付いてウォリーの元へ駆け寄っていった。
「ウォリー!どうした!?まさか奴らの毒が!?」
心配そうに声をかける彼女を見上げながら、ウォリーは笑みを返した。
「いや…ただの魔力切れです…」
ウォリーの回復マンや解毒マンは無制限に使える訳では無かった。取得した後は、普通の治癒魔法同じように魔力を消費する。今日彼は毒に侵された大勢の村人に一人一人回復と解毒を同時に使って周っていたため、彼の魔力は底をついてしまっていた。
しかし、あれだけの人数を全員回復して周れるほどの魔法使いは滅多に居ない。元々高い魔力値を有していた彼だからこそ出来た事だった。
倒れた原因が魔力切れだと分かり、ダーシャは安心した様子だった。
「そうか…」
そう呟くと彼女はウォリーを抱きかかえた。
「ウォリー…今回はよく頑張ってくれた。君のおかげで私は救われたよ。ありがとう。今はゆっくりと休んでくれ」
聖母のように微笑むダーシャの顔を眺めながら、ウォリーは彼女の腕の中で眠りに落ちていった。
復活したダーシャが両手を広げると、2人を取り囲んでいた炎が彼女の両手に集まって行く。その炎が再び巨大な爪へ変化すると、彼女は盗賊達に向かって走っていった。
盗賊はまた人質を取るため村人に接近しようとするが、ダーシャは怒りに任せて戦っていた先程とは違い、村人達を守るようにして戦うようになっていた。
彼女が盗賊達を圧倒している隙に、ウォリーは毒で苦しんでいる村人に解毒マンと回復マンを使って復活させて周っていた。
「冒険者ばかりに戦わせておけねえ!俺達が村を守るんだ!!」
ウォリーによって復活した村人達は倉庫から武器や農具を手に取って一斉に盗賊達への反撃を始めた。
「くそっ!何がどうなってる!!」
次々に復活していく村人達を見てゴメスは焦りの表情を浮かべる。
強力なダーシャの能力に加えて、大勢の村人が加勢して人数面でも盗賊側が劣勢に立たされた。
「退くぞ!お前ら!退けえー!」
ゴメスは勝てないと見て遂に撤退命令を部下達に下した。
盗賊達が村の外へ一斉に走って行く。
しかし、逃げようとする盗賊の頭上に火球が降り注ぎ次々に彼らを焼いていった。
ゴメスが顔を上げると、黒炎の翼を広げた魔人が怒りの表情で見下ろしていた。
「外道どもが!誰1人として逃がさん!!」
ダーシャは金色の瞳をギラつかせながら次々火球を吐き飛ばしていく。
「この魔人族がああああ!!」
そう叫ぶゴメスの背後へ、ウォリーが走って行く。
盗賊マンを発動し気配を消した彼は、ゴメスに気付かれる事なく攻撃範囲まで接近した。
ウォリーの剣が、ゴメスのアキレス腱を断つ。
「ぐあぁ!?貴様いつの間に!?」
ウォリーは縄を手に取り、それを痛みで倒れるゴメスに巻き付けた。
盗賊マンで手先の器用さが上がっている彼は、あっという間にゴメスを縛り上げ動けなくしてしまった。
盗賊達は大勢の村人に囲まれ、逃げようとしても頭上のダーシャから狙い撃ちにされ、加えてリーダーのゴメスまでもがやられた事で完全に戦意を喪失した。
彼らは武器を地面に捨て、両手を上げて降伏した。
これにより、盗賊達との戦いは完全に決着した。
冒険者や村人達は歓喜の叫びを上げた。
ダーシャも黒炎を解除して地上に降り立った。
縛られていた村人達も次々に解放されていき、彼らは冒険者達の周囲に集まって口々に礼を言っている。
あちこちで歓喜の声が上がっている中で、突然ウォリーが力が抜けたかのように膝を折り倒れ込んだ。
周囲に居た村人達が慌てて彼を支える。
ダーシャもそれに気付いてウォリーの元へ駆け寄っていった。
「ウォリー!どうした!?まさか奴らの毒が!?」
心配そうに声をかける彼女を見上げながら、ウォリーは笑みを返した。
「いや…ただの魔力切れです…」
ウォリーの回復マンや解毒マンは無制限に使える訳では無かった。取得した後は、普通の治癒魔法同じように魔力を消費する。今日彼は毒に侵された大勢の村人に一人一人回復と解毒を同時に使って周っていたため、彼の魔力は底をついてしまっていた。
しかし、あれだけの人数を全員回復して周れるほどの魔法使いは滅多に居ない。元々高い魔力値を有していた彼だからこそ出来た事だった。
倒れた原因が魔力切れだと分かり、ダーシャは安心した様子だった。
「そうか…」
そう呟くと彼女はウォリーを抱きかかえた。
「ウォリー…今回はよく頑張ってくれた。君のおかげで私は救われたよ。ありがとう。今はゆっくりと休んでくれ」
聖母のように微笑むダーシャの顔を眺めながら、ウォリーは彼女の腕の中で眠りに落ちていった。