昼休みは決まって3人。
わたしと、リョクくんと、ケイちゃん。
去年、1年生だったときに席が前後だったケイちゃんと、隣の席だったリョクくん。自然と仲良くなって、はじめはケイちゃんとふたりでのランチが、リョクくんと付き合うようになってから必然的に3人になった。
当たり前だった。
リョクくんと一緒に帰るのが日課になっても、おとといみたくケイちゃんと用事が重なったら3人で帰った。
何の違和感もなかった。
今日だって。
「――エルナ」
進級し、クラスの分かれたリョクくんは、昼休みのチャイムが鳴るとすぐわたしの教室に遊びに来る。
「体調大丈夫か?」
ケイちゃんとは今年もまた席が前後。わたしの目の前にいるのに、彼はケイちゃんには目もくれず、わたしの机に腕を乗せてしゃがみこむ。
「帰ってから連絡しても返信ねぇし、電話にも出ねぇし……まじ心配した」
そういう優しいところに惹かれた。ぶっきらぼうな言い方も好きだった。
だけど、もう、嬉しくない。ときめかない。
どうしてわたしを見るんだろう。
おかしいね。そんなこと、思ったことないのにね。
どうかしちゃったのはわたしだったのかな。
「エル、そんなに体調きつかったの? 本当に今も平気? あ、保健室行く?」
「エルナは病み上がりなんだからうるさくするなよな」
「うるさくないしー!」
3人での時間が多いし、仲良くなるのも当然で。こんな言い合いも日常茶飯事。
……なんだけど、なあ。
「……ふたりって、仲良いね」
「「仲良くない!」」
わたしが鈍すぎたの?
「……えと、とにかくわたしは平気だから。購買行こ?」
今までどおり。いつもどおり。
大丈夫。