したがってまわりにいる男性職員はほとんどが既婚者もしくは、バツイチ。
しかも年齢的にいうとひとまわり以上も上の人しかいなかった。

就職してすぐに配属されたのが診療報酬の計算。
いわゆるレセプト業務を担当する部署だった。

その部署は上司以外は全員が女性。
朝から晩までひたすら計算ソフトと顔を突き合わせている。

たまに事務室に入ってくる先生もいるが…
話す時間などまったくといっていいほど私たちにはなかった。

外来の診察の間は診療費の計算に明け暮れ。
報酬請求の時期になると締切に間に合わせる為に残業を強いられ。
はたまた返戻(へんれい)があるとその原因を探り訂正しなければならない。

外来の診療費の計算は患者を待たせているから迅速に行う必要があり、否が応でも緊張してしまう。

だからよそ見をする暇もないというのが現状だった。

そんな毎日を送っていた私の転機になったのは…

やはり「あの人」との出会いなんだろう。