私は今回も手紙を何回も読み返した。

声が出ないって母に言ったら驚くだろう。泣いてしまうかもしれない。そうして田舎に帰るように説得されるに違いない。けれど私はまだ帰るつもりはない。

私は返事を書こうと思ったが上手い言葉が見つからない。書いては消して、書いては消しているうちに手紙を書くのを諦めた。

“ たよりが無いのは元気な証拠”

そう思ってくれるかな。私は田舎のある方角の空を見て切なくなり母の胸の暖かさに触れたいと思った。