「一緒に割ろう」
「キキョウさんっ」
短刀を持つ私の手をキキョウさんが包んでくれて、この上ない安心感を覚える。
「さあ」
私の目を見て頷く。
「はいっ」
もう1度、力を込めて、短刀を玉に突き刺した。
「あっ」
割れた。
真ん中だけでなく、刀の触れていない左右の玉にもひびが生えてぱあんっと音を出して割れた。
その瞬間、中に渦巻く霧が私を飲み込む。
ここにキキョウさんの姿はない。
痛い、まるで何千もの針を肌に一気に刺されたかのように、痛い。それに、苦しい。頭の中に入ってくる憎しみや悲しみの感情。
頭が割れそうっ。
「ああっ!!」
体が裂けているみたい。痛い痛い痛い。この前刺された背中の痛みなんて比にならないほどの痛さ。
見える手の色が青黒く変色していく。もう、助からない……。
意識が遠のいていくなかで聞こえてくるカイさんの声。
「真由! 実を口の中に入れるんだ」
ああ、そうだ。あのベリーの実を……。
「キキョウさんっ」
短刀を持つ私の手をキキョウさんが包んでくれて、この上ない安心感を覚える。
「さあ」
私の目を見て頷く。
「はいっ」
もう1度、力を込めて、短刀を玉に突き刺した。
「あっ」
割れた。
真ん中だけでなく、刀の触れていない左右の玉にもひびが生えてぱあんっと音を出して割れた。
その瞬間、中に渦巻く霧が私を飲み込む。
ここにキキョウさんの姿はない。
痛い、まるで何千もの針を肌に一気に刺されたかのように、痛い。それに、苦しい。頭の中に入ってくる憎しみや悲しみの感情。
頭が割れそうっ。
「ああっ!!」
体が裂けているみたい。痛い痛い痛い。この前刺された背中の痛みなんて比にならないほどの痛さ。
見える手の色が青黒く変色していく。もう、助からない……。
意識が遠のいていくなかで聞こえてくるカイさんの声。
「真由! 実を口の中に入れるんだ」
ああ、そうだ。あのベリーの実を……。