空間魔法で最初に覚えるのが『収納』の魔法だ。
 魔道具では『魔法鞄』『魔法ポーチ』『魔法袋』などが流通している。
 所謂アイテムBOXだ。
 他にも空間魔法はあるが、それはおいおい。
 無属性の適応者が少ないことと、術者が少ないため、空間魔法の本自体が少ない。
 ただ我が家にはあると思う。
 そして、なんとなくだが、俺は魔法書を読まなくても『収納』や『移動』の魔法を使えるんじゃないかと最近思い至った。
 魔法書は、その魔法の特徴と注意点が掲載されている。
 失敗例や成功例を基に、いかに効率よく取得するかを細々と丁寧に書いてある。
 要は魔法のイメージだ。
『収納』は亜空間を『移動』は座標をイメージすればいいのではないかと考えている。
 まぁ消費MPが不明な状況で、気絶するなんてことは避けたいので試していませんけどね。
 あれ? ヘルプ機能様に掘り下げれば、消費MPわかるかも……。
 いやその前に魔力が足りないだろう。

 俺の目的である『移動』の魔法だが、国家最高レベルの魔法と謳っているだけではない。
 取得の難しさの要因の一点は魔力だ。
 空間魔法Lv6で取得可能なのは、スキルLvでその人の魔力を補う役目もあるからだ。
 逆に空間魔法Lv1でも魔力値さえあれば取得は可能だ。
 個人によっては、空間魔法Lv10でも使えないこともあるらしい。
 そもそも『移動』の魔法を使用できる術者は、魔力が非常に高い。

 魔法スキルの取得はある一定の魔力値によって可能となる。
 例えば生活魔法は魔力値10以上が必要となる。
『洗浄』の魔法は使えるが、生活魔法のスキル取得ができない者もいるのだ。
 スキル取得有無で効果は大きくことなるので、Lv上げと修練はかかせない。

 生活魔法の初級は『洗浄』である。
 これが、すっごーく役に立っています。
 この世界のお風呂事情だが、庶民は身体を拭くか、公衆浴場に行くか、『洗浄』の魔法をするかである。
 金銭的に考えて、 拭く < 洗浄 <<< 公衆浴場 だ。
 元日本人の俺からすると、お風呂に入れない生活は苦でしかない。
 だがお風呂に入ることは、かなりの贅沢なのだ。
 あっ、我が家には、各部屋にお風呂があり、魔石でお湯も沸かし放題だ。
 ただ幼児のため、満足いく入浴ができない。
 また石鹸などもあるにはあるが、技術が発達しておらず、その効果はいまいち。
 それでも贅沢品にはかわりがないのだが、元日本人からすると不満だ。
 そこで『洗浄』の魔法だ。
 この魔法のすごさは、お風呂に入った後の爽快感が身体に走り、お風呂に入ったと思える満足感が味わえる。
『洗浄』魔法を生業としている者もいるぐらいだ。
 もう救世主とはこのことだと思った。


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 ご主人様の『洗浄』ならではの効果です。
 一般的な『洗浄』は、その術者の魔力やスキルLvにもよりますが、このような効果はありません。

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 ヘルプ機能から突っ込みが入りました。
 俺のイメージが魔法に反映されているのね。
 この世界の人が、俺と同じイメージを持つことは、今のお風呂事情では難しいよな。
 まぁそれはさておき『洗浄』の魔法はとても有意義である。
 毎日、お世話になっています。