近年、精霊の姿を見かけることは、ほぼなくなった。
 精霊自身が、その姿を見せなくなっているからだ。
 環境もそうだが、一番の理由が七十年前に横行した精霊狩りだ。
 魔属性がない者が、精霊と契約した場合、精霊魔法が使えるようになるのだ。
 しかも精霊魔法は、契約精霊の力にもよるが、属性魔法より効力が高いものがほとんどだ。
 それを知った人々は、精霊との契約を欲した。
 魔契約ではなく、半ば強制的に奴隷術を施した精霊用の魔道具が作製された。
 ある程度力がある小精霊や中精霊・大精霊には効果がなかったが、弱小精霊の多くに被害がでた。
 これを知った精霊たちは、激怒し、膨大な力から天変地異を起こし、国々は荒れた。
 当時、魔契約をしていた精霊使いたちが、各国で捕まった弱小精霊を解放したが、精霊と人には大きな溝ができた。
 その後、世界各国でこの魔道具の使用は禁止されたが、闇の一部では未だ取引がされている。
 また魔道具の作製方法、作製者は不明だが、作製者は闇精霊と契約をしていたとの噂がある。

 叔父が隠蔽している理由はわかる。
 風精霊との魔契約など、トラブルの要因でしかないのだ。
 叔父があの日、精霊を伴っていれば、俺が言葉を理解していることがバレていた可能性が高い。
 精霊は好奇心が旺盛だ。そのものの真実の姿を見ることができる。
 俺のように、身体と精神年齢の差が明らかにちがうものに興味を持つのは当たり前なのだ。
 念話も使えるようなので、声を掛けられれば、100%応答していた。そして叔父にバレていたし、鑑定眼を使用したこともわかっただろう。
 結果論にすぎないが、難を逃れた。
 そして大きな収穫だが、俺は精霊と魔契約できる可能性が高いということだ。
 物事はポジティブに考えるべきだ。好奇心がそそられる存在に精霊たちは、興味を持つし、積極的に話しかけてくるだろう。
 ただ、人と契約する精霊もいるが、そもそも精霊との魔契約は、エルフが主だ。


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 エルフとは、外見は端整で、耳が長く尖っており、長命とされる。精霊の森の奥に集団で暮らしており、多種族との交流は盛んではない。

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 エルフいますよ。
 前世の知識通りっぽいです。


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 精霊の森とは、土大精霊が加護している森。多くの精霊が存在する。深奥は大結界があり、その先は精霊村につながる。

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 あぁー。今の情報は聞こえませんでした。
 ヘルプ機能、繰り返さないでいいよ。わざと聞こえないふりしているの。
 いやいや精霊村とか、トラブルの種でしかないでしょ。
 素晴らしい場所? だから行きましょう? やけにゴリ押すね。
 だけど掘り下げないよ。
 いや、だから、俺、赤ん坊だよ。諦めてください。

 つぎつぎ、精霊が多い環境に入ればおのずと魔契約も結びやすいな。
 エルフが精霊魔法と縁があるのはこれが理由ですかね。


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 エルフ誕生時に精霊の祝福があり、祝福をした精霊と最初の魔契約を結ぶ。

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 ほほおー。
 エルフと精霊の絆が深いってことですね。
 全てのエルフが精霊魔法を使用できるってことか。


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 稀に祝福がないエルフがいます。また魔契約できるだけの魔力がないエルフもいます。

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 祝福がないエルフは不運としか言えないが、後々挽回ができそうだ。
 だが、だがだが、この恵まれた環境で、魔力がないエルフって残念すぎる!
 俺だったら、嫌だな。
 あぁ。引きこもる。絶対、引きこもる。
 残念エルフに会う機会があれば、優しくしてやろう。