「それにしても戸田さんのおかげでスッキリしたよなぁ」


無事にプロジェクトが終わって打ち上げの日。


風が冷たくなってきた公園を歩きながら、すっかりできあがった安田が赤い顔をして言った。


「ほんとそうだよね。あの時の京野さんの顔、みんなにも見せたかった」


アルコールが入っている澄恵がクスクス笑って頷く。


もうひとりの仲間は妻子持ちなので、早々と帰って行ってしまった。


「でも、そのおかげで邪魔が入らなくなって、こうしてプロジェクトが無事に成功したんだよ」


安田はそう言うと木製のベンチに腰をかけた。


「そうだね」


澄恵は頷きながら安田の隣に座る。


おしりに当たるベンチは少し冷たいけれど、アルコールで火照った体にはちょうど良かった。