「あなたは女性社員からの評判もよくないみたいね」


「あ、それは違いますぅ! みんな、私のことを妬んでるんです!」


久美はパッと顔を上げて言った。


その口元は含み笑いを浮かべている。


「妬む?」


「はい。久美は可愛いし、男性社員からの人気が高いから、女子たちは気分が悪いみたいでぇ」


クネクネと体をくねらせて言う久美。


戸田に向かってよくそんなことが言えたものだと、安田たちも呆れ顔だ。


久美なんて無視して、早く仕事の話へ戻ろう。


そう思った時だった。


バンッ!と音がして振り向くと、戸田が久美の机に書類の束を置いたところだった。


大きな音に久美は驚いて目を丸くしている。