(選ばれるのは2人だけ。ハブられるのは私か……)


澄恵は内心ガッカリした気分になる。


けれど、あの2人なら普通に仕事もできるし、安田も安心だという気持ちになった。


「まずは立候補する人」


戸田の言葉に、まってましたとばかりに美穂と文音が手を上げる。


他にも2、3人が手を上げている。


が、澄恵は手をあげなかった。


きっと自分が上げても選ばれないし、あとから美穂と文音に笑われるのがオチだからだ。


「立候補者はこれだけですか?」


戸田の言葉に反応する社員はいない。


「じゃあこの中から――」


「待ってください」