久美への風あたりは日に日に強くなり、久美は安田へ話しかけることもできなくなっていた。


「あ~あ、いい気味!」


給湯室でそう言ったのは美穂だった。


「ほんと、そうだよねぇ! 戸田さまさまだよぉ」


文音も同意している。


戸田が来てから久美と安田の間に距離が生まれたのが嬉しいみたいだ。


2人は20分も前から同じことを口にしている。


「私、そろそろ行くね」


澄恵はそう言い、給湯室を後にしたのだった。