「えっ!?」


澄恵は驚いて文音を見つめる。


(昨日は知らん顔して帰ったのに)


そう思っていると、文音の視線が安田へ向けられていることがわかった。


(あっ……)


その瞬間文音の考えが読めてしまった。


昨日、安田は澄恵の仕事を手伝ってくれた。


それを知った文音は、自分も安田と一緒に残ることを決めたのだ。


自分のためではなかったとわかった瞬間、少しだけ胸の奥がムカムカした。


でも、分担して仕事をすればその分早く帰ることができる。


澄恵はそう思い直した。


「じゃ、私も手伝う!」


美穂が澄恵の分の仕事を手に取る。


自然と澄恵の手元には仕事が残らなくなってしまった。