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美穂と文音は同期で仲良しだけど、でも時々一緒にいることが疲れるんだよね……。
澄恵だって久美のことをよくは思っていない。
でも、仕事中に給湯室で何時間も悪口を言えるほど、悪くも思っていなかった。
2人にかぎっては久美から仕事を押し付けられた経験だってないのだ。
それなのにあれほど白熱できるのが澄恵には理解できなかった。
「福森さん」
時計の針がもうすぐ5時になろうかという頃、久美が体をくねらせながら近づいてきた。
その手には書類が握られて、澄恵は一瞬逃げ腰になる。
けれどその書類が昨日の半分以下の量だとわかると、ついその場にとどまってしまった。
「悪いんだけどぉ、今日もお願いできないかなぁ? おばあちゃんの調子があんまりよくないみたいなのぉ」
テカテカに塗ったリップで久美は言う。
美穂と文音は同期で仲良しだけど、でも時々一緒にいることが疲れるんだよね……。
澄恵だって久美のことをよくは思っていない。
でも、仕事中に給湯室で何時間も悪口を言えるほど、悪くも思っていなかった。
2人にかぎっては久美から仕事を押し付けられた経験だってないのだ。
それなのにあれほど白熱できるのが澄恵には理解できなかった。
「福森さん」
時計の針がもうすぐ5時になろうかという頃、久美が体をくねらせながら近づいてきた。
その手には書類が握られて、澄恵は一瞬逃げ腰になる。
けれどその書類が昨日の半分以下の量だとわかると、ついその場にとどまってしまった。
「悪いんだけどぉ、今日もお願いできないかなぁ? おばあちゃんの調子があんまりよくないみたいなのぉ」
テカテカに塗ったリップで久美は言う。