「だいたいさぁ、澄恵もキッパリ断らないからダメなんだよ!?」


突然名前を出された澄恵は驚いて数センチ飛び上っていた。


文音の言葉に瞬きを繰り返す。


「え、えっと……」


「そうだよ澄恵。久美なんかの言いなりになってちゃダメだって!」


追い打ちをかけるように美穂に言われて、「そ、そうだね」と、肯定するしかしなくなってしまった。


「だいたい久美ってさぁ、あの体型でいつもミニスカートじゃん? すっごい度胸だよねぇ」


「あはは、いえてるぅ! でも度胸があるとかないとかじゃなくてぇ、単なる勘違い、みたいな?」


「そうそれ! 今井さんがすぐに褒めるから、自分が30手前だってことも忘れてるんだよねきっと!」


2人の悪口は延々と続く。


澄恵は2人に合わせて、ただ笑顔を浮かべているだけだった。