今頃2人は料理を食べ終えた頃だろう。


メッセージを確認したほうがいいかもしれないと思いつつ、澄恵はこの時間を大切にしたかった。


「それにしても、今井さんと京野さんはどうにかならないかな」


ある程度お酒がすすんだところで、安田さんがポツリと呟く。


「あの……あの2人って……」


そこまで言って口を濁す。


すると安田は大きく頷いた。


「付き合ってるらしいね」


(やっぱりそうなんだ)


みんなその事実を知っていて、なにも言えずにいるみたいだ。


上司の不倫に首を突っ込んで、会社での立場が悪くなるようなこと誰だって避けたい。


「別に、付き合うなって言うつもりはないんだけど、そのせいで今日みたいに京野さんが誰かに仕事を押し付けるだろ? それがダメなんだよなぁ」


安田はそう言いながらレバーを口に運ぶ。


ねっとりとした食感が舌に絡みつき、たまらない。