恐怖に震えていると、トントンと肩を叩かれた。
 私はギョッとして心臓が止まりそうになったが、心の中で「助けてください」と夢中で祈った。
「どうしたのケイくん」
 その少女の声に聞き覚えがあったので、少しホッとして目を開けると、そこに同級生のエリが立っている。
「オ、オッ、オマエ、どうしてここ、こここっここにいるんだよ」
 と震える声で私が言うと、
「そんな事ケイくんに関係ないでしょう」
 とふてくされた様に、エリはどこかへ行った。