聞こえないほど小さく声を上げる、私の反応を楽しんでいるようだ。


「私は2年A組山本碧です」


マイクへ向けて、そう言う。


きっと、今頃クラスメートや律は目を丸くしているだろう。


「私は……」


すぐるの手が、太ももをなでながらどんどん上へ移動してくる。


「わ……たしはっ……」


「どうした?」


すぐるが、ニヤリと笑う。