「やめな!!」


頭の中でメロディを奏で、リズムをとっていたその時。


律が大声でそう怒鳴った。


「律……?」


「なにしてんの碧、おりなよぉ~」


怒ったような声からいっぺんし、今度はヘラッと笑顔を見せた。


「『歌って』って言われて本当に歌おうとするなんて、本当碧って天然だねぇ」


その言葉に、クラス内からホッとしたような笑いが起きた。