私はムッとして、律の横っ腹をつつく。


ちょっと、人の彼氏に何ときめいてんのよ。


ゴメン。だって急にあだ名なんだもん。


私たちだけに理解できる、視線だけのテレパシー。


「そ、そうだねぇ」


動揺を隠しながら、律は「う~ん」と首をかしげた。


流行の曲なら何でも聴いている律。


これといって『好き』と特定できる曲が少ないのだ。