その光景に、私は慌てて教室を出た。


「なに?」


女子生徒たちを押しのけて、すぐるの前に出る。


周りからはかなり痛い視線が送られてきているが、S王子と呼ばれるすぐると付き合った時点で、想定内のことだ。


「碧、休みの日はどうだった?」


すぐるの表情が、なんだかいつもより優しい。


私は、公園でのキスを思い出した。


キスの後、『よくできました』と、子供のように頭をなでてくれたすぐる。