まだホームルーム前の教室の中、私は焦点のあわない目を空中に泳がせながら、ポーッとしていた。


ボーッと、ではなくて、ポーッと。


休み中のすぐるとの事を思い出すと、自然と口元が緩んでくる。


それに気づき、すぐに引き締めるのだけど、またヘニョッとした顔になる。


今日はもう、授業内容が頭に入りそうにない。


そんな幸せ一杯な私のもとへ、これまた幸せいっぱいって顔をした律がかけてきた。