「私、悪いことは出来ないわ!!」


すぐるの前まで走って戻り、私はハッキリキッパリとそう言い放った。


「ふぅ~ん」


そこには、すごく満足そうな、すぐるの笑顔……。


一瞬、背筋がスッと寒くなる。


「なっ……なによ!」


それでも、なんとか強気で一万円札を付き返した。


すぐるはそれを受け取り、ポケットに入れる。