と言っても、歩いていける範囲で《いい所》と呼べるような場所がない事は知っている。


じゃぁ……どこに行こうとしてるんだろう。


すぐるの歩幅に付いて行くのが精一杯で、周りの景色を見る余裕なんてなかった。


だから……気づいたら、私の立っている場所はいわゆる、そういうアダルトなお店が立ち並ぶ通りだったのだ。


「あの……すぐる?」


もう少し行けば、ホテル街に出る。


もしかして、もしかして!?


なんて考えが頭の中をめぐっていく。