「久保さんがその気なら、1度くらいデートをしてあげてもいいんだよ?」


「は?」


私と亜由は同時に目を見かわせた。


この男は一体何を言い出したのだろう。


理解が追い付かず、ただただ内田君を見つめていることしかできない。


その間にも内田君はデートの場所はどうとか、お金の心配はいらないとか、どんどん先へ先へと話を進めている。


「ちょ、ちょっと待って!」


たっぷり3分ほど内田君のひとり語りを聞いた後、ようやくストップをかけることができた。


「ん? どうしたんだい? 杏美?」


(いつの間にか名前呼び捨てになってるし!)