「もしかして久保さん、僕の手帳を見たんじゃない?」


「あぁ……みたけど」


っていうか、見なきゃ誰の手帳かわからないし。


「やっぱりね! そうだと思ったよ!」


サラリと、かき上げられる前髪。


「僕の写真を見て、それで届けてくれたんだよね?」


「まぁ……そうだけど……」


肯定しながらも嫌な予感がしてきて、あたしは亜由へ視線を向けた。


亜由は威圧感満載の内田君から逃れるように、椅子から落ちないギリギリのところまで体の横へずらしている。


「それって……僕に一目ぼれしたってことでいいよね?」


(……は?)


今、なんて言いましたこと人?


あたしは唖然としてしまって返す言葉がなかった。