教室内は静まり返り、内田君は目を丸くして笑みを浮かべたまま凍りついている。


私はまた肩で呼吸を繰り返していた。


静かな教室内に亜由の拍手が聞こえてきた。


ぱちぱちぱち……。


それは次第に他の生徒たちに伝染していく。


パチパチパチパチ!!


あっという間に教室内は大きな拍手に包まれていた。


「良く言った久保さん!」


「そこまで言わなきゃわかんないやつっているんだよねぇ」


「内田の勘違いは激しかったもんなぁ!」


そんな声にみるみる内に内田君の顔は青ざめて行く。


「あ、えっと……僕、用事があるから先に帰るよ。じゃあね、杏美!」


内田君はそう言うと私へ向けてウインクし、そそくさと教室から出て行ったのだった。




END