「矢沢君!」


思わず立ち上がる。


どうにか誤解を解きたかった。


「あの、ごめんね」


「え……?」


「俺なにも知らなくてデートに誘っちゃって、迷惑だったよね……?」


「め、迷惑だなんて!」


私は首が千切れそうなほど強く左右に振った。


「内田君にはちゃんと謝っておいたから、誤解はしてないと思うけど」


(誤解してるのは矢沢君の方だよ!)


「じゃ、そういうことだから」


「あ……っ!」


無情にも王子様は私の前から去って行ってしまった。


そして残ったのは……。