「なんだ、そうだったのか……」


矢沢君はあたしを見て残念そうな表情になった。


「それならメッセージもやめた方がいいかな?」


「そ、そんな!」


「あぁそうだな。杏美は僕の彼女だからな!」


キッパリと言い切る内田君。


騒然とする教室内。


私は自分の心臓が止まってしまったかと思うほど、動けなかった。


「そっか……」


矢沢君は落ち込んだ様子で自分の席へと向かい、クラスの女子たちからは笑い声が聞こえてきた。


「ちょっと杏美、しっかりして!」


亜由の声でようやく我に返ったとき、内田君はすでに教室にはいなかったのだった。