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(うぅ……人の視線が痛い)


新しいスイーツ屋には同じ学校の生徒たちが何人もいた。


しかもその大半が女子たちだ。


私と矢沢君がお店に入った瞬間、大きなざわめきが起こった。


同時に「なんで久保さんと?」とか「彼女じゃないよね?」という言葉が聞こえてくる。


一瞬にして居心地が悪くなった私は矢沢君の後ろに隠れるようにしてレジに並んだ。


「どれでも好きなものを選んでよ」


ショーケースの中には色とりどりのケーキが並んでいる。


いちごのショートにモンブランにチーズケーキ。


どれも奇麗に飾り付けされていて、見ているだけで癒されてくる。


「じゃ、じゃあいちごのショートケーキにする」