「本当に、君たちは僕のことが大好きだなぁ!」


今日も内田君は元気いっぱい。


男子たちに囲まれて教室を出て行った。


これからお昼御飯をおごらされるというのに、本人は自分が人気者だから友達がたくさんいると思い込んでいる。


「あれだけポジティブだと幸せだろうねぇ」


亜由はおにぎりをほおばって言った。


「本当にね……」


私は盛大な溜息を吐きだして答える。


ポジティブだからこそたちが悪いということもあるのだと、最近身にしみて理解できるようになってきた。


内田君は相変わらず勘違いしていて、事あるごとにこちらへ話しかけてくる。


しかし私が教室内では照れてしまって、デートの約束ができないと思い込んでいるのだ。


頻繁にスマホ番号を聞かれるが、どうにか今まで回避してきた。


でも、それもそろそろ限界だ。


思い切って『あんたなんて興味ないから!』と言えればいいのだけれど……。


それが言えないのが私の性格だった。