(いや、今のは明らかに無理やり言わせてたじゃん!)


教室中が白けた雰囲気に包まれる。


そこまでしてモテアピールがしたいのはなぜなのか、内田君と目があった瞬間に理解できてしまって鳥肌が立った。


亜由が私の腕をつついて「ヤバイじゃん」とささやいてくる。


内田君は間違いなく、私に向かってモテアピールをしているのだ。


こんな僕とデートできるんだから幸せでしょう?


と、顔に書いてある。


私はなるべく内田君の方を見ないよう、みちるちゃんへ視線を向ける。


「で? ラブレターは何通あった?」


「ひゃ……百通……」


その瞬間、みちるちゃんは真っ赤になって逃げ出してしまった。


(あぁ、あの子も被害者なんだ)


内田君の笑い声だけがいつまでも聞こえていたのだった。