自分が忘れ物をしたことが恥ずかしくて、必死で隠そうとしているように見える。


「それからみちる、お前またお兄ちゃんの部屋に入っただろう!」


「えぇ~? 入ってないよぉ?」


みちるちゃんは首をかしげている。


「いいや入った! それでほら、お兄ちゃんの机を見たんだろう!」


内田君はみちるちゃんの背中をツンツンとつついている。


するとみちるちゃんは何かに感づいたように内田君を見上げた。


「そういえば見たかも」


みちるちゃんはどこか嫌そうな表情で呟く。


さっきまでの元気も一気に失われている。


「で、そこで何を見たんだっけ?」


「えっとぉ……」


みちるちゃんは居心地悪そうにモジモジしはじめた。


一刻も早くここから去りたいを思っているのが、痛いほど伝わってくる。


「お兄ちゃんに届いたラブレター……」


「ふふふんっ! そうだよなぁ! お前は勝手にお兄ちゃんに届いたラブレターを見るんだよな!!」