「ふふんっ」


と意味不明な笑みを浮かべ、ドシドシと巨漢を揺らしながら私に近づいてくる。


(やばいやばいやばいやばいやばい!)


全身から汗が噴き出した時、「よぉ内田!」と声がして教室前方から3人の男子たちが入ってきた。


「あぁ、なんだ、君たちか」


内田君は立ち止まり、サラリと前髪をかき上げる。


途中で立ち止まってくれたことに大きく息を吐きだした。


あのままこちらへ来られていたらどうなっていたか、考えるだけで恐ろしい。


「なぁ今月ピンチなんだよ。昼奢ってくれねぇ?」


「ふふっ! 君たちはお金の使い方が下手だなぁ! いいよ、僕がなんでも奢ってあげようじゃないか!」


胸を張って自身満々に言う内田君。


自分が都合よく使われていることに気がついていないみたいだ。


「内田君の家って無駄にお金持ちらしいよ」


内田君たちが窓辺へと移動したのを見て、亜由が言った。