「デートとか、そういうのはちょっと……」


「ん? なんだ、教室内でこういう話はしない方がよかったのかな? 照れ屋だなぁ杏美は」


サラリと前髪。


(いや、照れてないですけど)


ヒクヒクと頬の筋肉が痙攣してくる。


「じゃ、また後で連絡するよ」


ヒラリと手を振って自分の席へと向かう内田君の姿を呆然と見送る。