パサッと軽い音がして前方に視線をやった。
春の朝の日差しは眩しくて思わず目を細める。
昨夜降った雨に濡れて、道端の花がキラキラと輝いていた。
私の視界に入ってきたのは見なれた濃いグリーンの手帳だった。
近づいて拾い上げてみると、乾き切っていないアスファルトのせいで、その手帳も少し濡れていた。
制服の袖で水気をぬぐい、手帳を開く。
そこには桜ケ丘高校1年A組内田健吾と書かれていた。
顔写真を見ると下膨れしたような丸い顔に、頬にはニキビ。
まるくて大きな鼻に、自信満々笑顔が写っていた。
(1年A組って、私と同じクラスじゃん)
だけどどれだけ記憶を巡らせてみても、こんなクラスメートがいた記憶がない。
高校に入学して間もないせいもあるけれど、これほど特徴的な顔なら覚えていてもいいのにな……。
春の朝の日差しは眩しくて思わず目を細める。
昨夜降った雨に濡れて、道端の花がキラキラと輝いていた。
私の視界に入ってきたのは見なれた濃いグリーンの手帳だった。
近づいて拾い上げてみると、乾き切っていないアスファルトのせいで、その手帳も少し濡れていた。
制服の袖で水気をぬぐい、手帳を開く。
そこには桜ケ丘高校1年A組内田健吾と書かれていた。
顔写真を見ると下膨れしたような丸い顔に、頬にはニキビ。
まるくて大きな鼻に、自信満々笑顔が写っていた。
(1年A組って、私と同じクラスじゃん)
だけどどれだけ記憶を巡らせてみても、こんなクラスメートがいた記憶がない。
高校に入学して間もないせいもあるけれど、これほど特徴的な顔なら覚えていてもいいのにな……。