その香りは体臭と混ざり、一瞬にして社長室を充満。あまり長居されたら確実に死に至りそうな致命的な匂いだ。
「ご無沙汰しております、金我様」
表情1つ変えずに凛とした態度で挨拶をする社長の眼は、どこか据わっている。
この気持ち悪い男の名は【金我 捕師】(カネガ ホシ)
ステータス:金融資産家。レジデンスの最上階に住んでいるが普段はほとんど表には現われず、その姿を見るモノも少ないと言われるレア肉…ではなくレア人物。
シバ社長の祖父・父と代々付き合いのある人物で実質、社長より立場が上だと思っている節がある。
※注意事項:間違っても名前を日本語読みにしない事。
そしてこの男、何よりも厄介なのは―――
「とても美人な秘書を連れているではないか、柴永代表取締役社長」
ニヤニヤしながら鮫島を舐めるように上から下まで品定めし、目が合った本人に獲物を獲るようなギラギラした視線を送る金我は、生粋の女好きである意味有名な変態だ。
「金我様、申し訳ございませんが我々はこの後、大事な会議があります。ご用件ならすぐに仰ってください」