この1か月で学んだ掃除については
無駄に広い屋敷内の全てを
仕事が終わってからするのは無理な話だという事。
だから各フロアに分けて毎日少しずつと決め
今日はキッチンルームを終わらせた。
と言っても
ようやく一息つけたのは22時は過ぎている。
セレブ街から離れた庶民が住む町のコンビニまで行き
買ってきたサラダとおにぎりを食べながら
頼まれていた資料に目を通している内に社長が帰宅。
「お疲れ様です。
お風呂、入れる状態になっています」
「あぁ…悪いな」
ココまでがイトカの1日の仕事。
最後に風呂掃除をしながら自分もシャワーを借りて
仕事が完了になるのは日付が変わる頃だ。
しかしそうなると
逆に目が冴えてしまい眠れない。
疲れが溜まるのは無理もなかった。
身体に異常をきたしたのは翌日。
「…ッ」
ズキズキと痛む頭を押さえ
昨晩に終わらせた資料をまとめていた。
「随分と頑張っているみたいだけど
庶民のアナタには大変そうで可哀想ね」
久しぶりに鮫島が話し掛けてきたかと思えば
見下したような言い草で憐れんでいる。