「おわっ」
光は、空中に浮かぶレンガ、といった感じだった。玲央は、それをいろいろな角度から確認し、手で押してそれが動かないことを確認した。「……よし」
「あとはおまえの運動神経に賭けるしかない。……クロ、頼むぞ」
クロはうなずいた。手や足を曲げたり伸ばしたりして、軽く準備運動をしている。
「出でよ〈スカイラダー〉!」
玲央が勢いよく構えた手の方向に、ぽぽぽぽっ、とグリーンに光るレンガ状の足場が出現した。クロはためらいなく、そこを駆け上っていく。
「クロ、大丈夫かな……」
ミクが思わず呟くと、そばで見ていたポロロがおもむろに言った。
「さて、ミク。あなたはどうする? 化粧水のサンプル分、魔法を使えるようになりたい?」
そう尋ねられ、迷ったミクは、結局うなずいた。あまり気乗りはしなかったが、ほんのわずかな力なら影響も代償も少なそうだと判断したのだった。
「そう。こう言っておいて残念だけど、あなたはほとんど魔力が残ってないの。一番基本の魔法、つまり〈ドレスメーカー〉だけね……まずは、なにか自分の服のことを考えながら、唱えてみて」
ミクはうなずいた。「……〈ドレスメーカー〉」
こちらも、呪文の効果は劇的だった。言葉と一緒に、口からエネルギーが漏れだしたかのように、らせん状に渦巻く。ぶわっ、と布地が空気を押す音がして、大きく広がりながら、それはまたたく間に完成した。
「あー……」ポロロが言った。「友だちの結婚式? みたいな? 引き出物のデカい紙袋もってそう」
彼女が言うとおり、ミクの服はドレスというよりも、お呼ばれ用のドレッシーな服装といったものだった。ホルターネックの紺のミニワンピースと、ポインテッドトゥのヒールパンプス。
光は、空中に浮かぶレンガ、といった感じだった。玲央は、それをいろいろな角度から確認し、手で押してそれが動かないことを確認した。「……よし」
「あとはおまえの運動神経に賭けるしかない。……クロ、頼むぞ」
クロはうなずいた。手や足を曲げたり伸ばしたりして、軽く準備運動をしている。
「出でよ〈スカイラダー〉!」
玲央が勢いよく構えた手の方向に、ぽぽぽぽっ、とグリーンに光るレンガ状の足場が出現した。クロはためらいなく、そこを駆け上っていく。
「クロ、大丈夫かな……」
ミクが思わず呟くと、そばで見ていたポロロがおもむろに言った。
「さて、ミク。あなたはどうする? 化粧水のサンプル分、魔法を使えるようになりたい?」
そう尋ねられ、迷ったミクは、結局うなずいた。あまり気乗りはしなかったが、ほんのわずかな力なら影響も代償も少なそうだと判断したのだった。
「そう。こう言っておいて残念だけど、あなたはほとんど魔力が残ってないの。一番基本の魔法、つまり〈ドレスメーカー〉だけね……まずは、なにか自分の服のことを考えながら、唱えてみて」
ミクはうなずいた。「……〈ドレスメーカー〉」
こちらも、呪文の効果は劇的だった。言葉と一緒に、口からエネルギーが漏れだしたかのように、らせん状に渦巻く。ぶわっ、と布地が空気を押す音がして、大きく広がりながら、それはまたたく間に完成した。
「あー……」ポロロが言った。「友だちの結婚式? みたいな? 引き出物のデカい紙袋もってそう」
彼女が言うとおり、ミクの服はドレスというよりも、お呼ばれ用のドレッシーな服装といったものだった。ホルターネックの紺のミニワンピースと、ポインテッドトゥのヒールパンプス。
