「暁、トーストでいいの? たまにはおにぎりにでもする? 卵かけごはんとかさ。毎日同じじゃ飽きるでしょう?」
『深雪』のモーニングは厚めのトーストに卵料理と決まっている。それ以外は季節のサラダとコーヒー、もしくは紅茶という代わり映えのないメニューなのだ。
正直自分でも飽きるので、時には生卵納豆をかけご飯を食べている。
「飽きない。ここのパンは絶品だし、どれも美味しい」
「それはどーも」
暁は洋食を好んで食べる。
向こうの世界では食べられないからだと言う。
平安の世での食事はシンプルで、最初から味がついたりはしていなかったらしい。茹でたり焼いたり蒸したりした物に、自分で醤油のような調味料をつけて食べていたという。主食はご飯で、もちろんパンはない。
この世界に来て知ったパンの柔らかさには衝撃を受けたらしい。ふわふわでほんのりと甘く、それでいて塩気もある食パン。
暁に言わせれば、魔法のような食べ物らしい。
チンとトースターが音をたてた。
薄っすらと色付いたパンの仕上げに発酵バターを落とし、サラダの入った小鉢と一緒にワンプレートに盛りつける。本日の卵はほうれん草とベーコン入りのココットだ。
更に暁が持ってきてくれたブドウの他に林檎をウサギの形にして添えた。赤い耳の部分はペティナイフでギザギザの切り込みを入れた飾り切りである。
「はい。おまたせ」
『深雪』のモーニングは厚めのトーストに卵料理と決まっている。それ以外は季節のサラダとコーヒー、もしくは紅茶という代わり映えのないメニューなのだ。
正直自分でも飽きるので、時には生卵納豆をかけご飯を食べている。
「飽きない。ここのパンは絶品だし、どれも美味しい」
「それはどーも」
暁は洋食を好んで食べる。
向こうの世界では食べられないからだと言う。
平安の世での食事はシンプルで、最初から味がついたりはしていなかったらしい。茹でたり焼いたり蒸したりした物に、自分で醤油のような調味料をつけて食べていたという。主食はご飯で、もちろんパンはない。
この世界に来て知ったパンの柔らかさには衝撃を受けたらしい。ふわふわでほんのりと甘く、それでいて塩気もある食パン。
暁に言わせれば、魔法のような食べ物らしい。
チンとトースターが音をたてた。
薄っすらと色付いたパンの仕上げに発酵バターを落とし、サラダの入った小鉢と一緒にワンプレートに盛りつける。本日の卵はほうれん草とベーコン入りのココットだ。
更に暁が持ってきてくれたブドウの他に林檎をウサギの形にして添えた。赤い耳の部分はペティナイフでギザギザの切り込みを入れた飾り切りである。
「はい。おまたせ」