「うっせぇよ。お前は黙ってても女子から話しかけられるだろ」
空太は中学では学校一モテていた。
「そんな冷たいこと言うなよぉ~」
「それより空太。あのみんなに囲まれているひと何者?」
教室の前で人だかりができていた。
「あぁ。僕知ってるよあの子。名前は橘(たちばな)こゆき」
「なんか有名なん?」
「うん。なんか陸上の100mで中学の時全額優勝したんだって。この辺じゃ有名人だよ」
そうなのか。じゃあ俺とはこれから先も無縁だろ。
「それにしても橘さん噂どおりの美人だな。恋次」
「まぁそうだな」
確かに美人だ。
「でもまぁ所詮俺とは別世界の住人だよ」
「そんなことないと思うけどな。恋次もモテると思うけど」