しかし傷はまだまだあった。 ビールを飲んで上機嫌になった女が、セーターを脱いだ。 ブラジャーまで白い。 よっぽど白が好きらしい、そう思ったのも、つかの間、全身にある傷痕に気付くと、私は声が出なくなった。 手首にはリストカットの痕らしきものが生々しくある。 その他にも、どうしてこんなに傷があるのか、私は聞くに聞けなかった。