カウンターに瑠璃と並んで腰掛けて、義信さんが作ってくれた賄いで遅めのお昼ご飯をいただく。
サラダとベーコンがクレープに包まれている。
甘じょっぱくて美味しい。
「んー、幸せ。美味しい」
「でしょう」
瑠璃は私の反応に満足そうな顔をして、クレープを頬張っている。
「少しは慣れた?」
「まだお客さんが多い時間には混乱しちゃうけど、なんとか」
「よかった。結衣は接客とか向いてそうだと思ってたんだ」
「ありがとう」
「こちらこそよ。手伝ってくれて感謝してる」
人手はきっと足りてるはずなのに、そんな風に言ってくれる瑠璃。
彼女と義信さんの思いやりには頭が下がる思いだ。
「で、例の年下イケメンくんとはどうなってるのよ?」
瑠璃の目が好奇の色に光っている。
湊人のことを好きだと自覚しただなんて言ったら、どんな反応をされるだろうか。
想像するだけで恐ろしくて、はぐらかした。
「そんなことより、休憩終わったら何すればいい?」
「そんなことよりって何よ。一番大事な話でしょう」
「一番大事ってことはないんじゃないかな?」
瑠璃は私に詰め寄る。
「結衣、新しい恋、してるんじゃないの?」
「いやいや……」
「結衣のこと、あんなに心配してたのに……まさか教えてくれないなんてこと、ないよね?」
こういう時の彼女の勢いは、すごい。
私は観念して重い口を開いた。
「……新しい恋、したよ」
「ほら! やっぱり!」
瑠璃が外まで聞えるんじゃないかと思うほどの大きな声を出した。私の手をとって、自分の胸の前で握る。
「やだー!よかった!本当に心配してたんだからね。結衣がもう誰のことも好きになれないんじゃないかって」
「ありがとう」
「それで? 付き合ってるの?」
「ううん。ちょっと期待しちゃう時もあるけど、よく分からない関係というか」
言いよどむ私に、瑠璃は首をひねった。
「期待しちゃうことって?」
ここで、もし、今までのことを言ったら、瑠璃はまた大騒ぎするだろう。
でも確かに心配してくれていたのに、言わないでいるのは良くない気もして。
「キス、されたりとか……」
「きゃーっ! 本当に?」
瑠璃は予想通り大声で叫んでいる。
キッチンから義信さんが怪訝そうに顔をのぞかせた。
「瑠璃ちゃん、どうしたの?」
「あー、ごめんごめん、聞えてた?」
「そりゃ聞えるでしょ。すごい大きな声だったから、何があったのかと思っちゃったよ」
「なんでもないの。今、ガールズトーク中だから、気にしないで」
義信さんは納得のいかない顔をしていたけれど、瑠璃の言うとおりにキッチンに引っ込んだ。
なんだか申し訳ない。
サラダとベーコンがクレープに包まれている。
甘じょっぱくて美味しい。
「んー、幸せ。美味しい」
「でしょう」
瑠璃は私の反応に満足そうな顔をして、クレープを頬張っている。
「少しは慣れた?」
「まだお客さんが多い時間には混乱しちゃうけど、なんとか」
「よかった。結衣は接客とか向いてそうだと思ってたんだ」
「ありがとう」
「こちらこそよ。手伝ってくれて感謝してる」
人手はきっと足りてるはずなのに、そんな風に言ってくれる瑠璃。
彼女と義信さんの思いやりには頭が下がる思いだ。
「で、例の年下イケメンくんとはどうなってるのよ?」
瑠璃の目が好奇の色に光っている。
湊人のことを好きだと自覚しただなんて言ったら、どんな反応をされるだろうか。
想像するだけで恐ろしくて、はぐらかした。
「そんなことより、休憩終わったら何すればいい?」
「そんなことよりって何よ。一番大事な話でしょう」
「一番大事ってことはないんじゃないかな?」
瑠璃は私に詰め寄る。
「結衣、新しい恋、してるんじゃないの?」
「いやいや……」
「結衣のこと、あんなに心配してたのに……まさか教えてくれないなんてこと、ないよね?」
こういう時の彼女の勢いは、すごい。
私は観念して重い口を開いた。
「……新しい恋、したよ」
「ほら! やっぱり!」
瑠璃が外まで聞えるんじゃないかと思うほどの大きな声を出した。私の手をとって、自分の胸の前で握る。
「やだー!よかった!本当に心配してたんだからね。結衣がもう誰のことも好きになれないんじゃないかって」
「ありがとう」
「それで? 付き合ってるの?」
「ううん。ちょっと期待しちゃう時もあるけど、よく分からない関係というか」
言いよどむ私に、瑠璃は首をひねった。
「期待しちゃうことって?」
ここで、もし、今までのことを言ったら、瑠璃はまた大騒ぎするだろう。
でも確かに心配してくれていたのに、言わないでいるのは良くない気もして。
「キス、されたりとか……」
「きゃーっ! 本当に?」
瑠璃は予想通り大声で叫んでいる。
キッチンから義信さんが怪訝そうに顔をのぞかせた。
「瑠璃ちゃん、どうしたの?」
「あー、ごめんごめん、聞えてた?」
「そりゃ聞えるでしょ。すごい大きな声だったから、何があったのかと思っちゃったよ」
「なんでもないの。今、ガールズトーク中だから、気にしないで」
義信さんは納得のいかない顔をしていたけれど、瑠璃の言うとおりにキッチンに引っ込んだ。
なんだか申し訳ない。