「妹って何歳なの?」

「二歳だよ」

「えーけっこう歳離れてるんだね」

「う、うん」

友達に家族のことは詳しく話していない。私の周りにいる人たちはみんな親と仲良しで、一緒に出掛けたという話をよくされる。

心の(ほころ)びが見えないように相づちを打っているけれど、内心は自分の状況と比べてしまい、落ち込むことも多い。

【三番目は何色でしょう?】

ポケットの中でスマホが振動したと思えば、旭からメールが届いていた。送られてきた写真には田んぼの上にかかっている七色の虹が見える。

昨日の星空の写真もすごかったけれど、これも鮮やかな色がはっきりとわかるくらい綺麗だった。

「響がスマホ触ってるなんて珍しい! もしかして彼氏でもできた?」

友達にスマホを覗かれそうになって、とっさに傾けてしまった。

「か、彼氏じゃない。今までもいたことないし」

「たしかに響って恋バナも全然しないよね。もしかしてあんまり出逢いとかない? 誰か紹介しようか?」

「だ、大丈夫」

顔の引き吊りに気づかれてしまったのか、友達が「ふーん、そっか」と私から離れていった。

もしかして、回答を間違えたのだろうか。

少しまた胃がムカムカとしてきたけれど、旭からの写真を見て気持ちを落ち着かせた。
 
【三番目は黄色】

返事を打ちながら、なぜだか泣きそうになった。

どうして十四歳の私は、正解も不正解も考えずに過ごすことができていたのかな。

あの頃の無鉄砲さがほしい。それで、太陽よりも眩しいきみの明るさも恋しい。

【響も綺麗なもの送って】

彼から届いた文を見つめながら、返事をすることができなかった。

なにを見ても心なんて動かない私には、綺麗なものなんて見つけられない。