そうだ。私は傷つくのを怖がって自分のことを守ってきただけ。
でももういいや。
傷つかないことは、なにもしないこと。
なにもしないことも、私にとっては苦しかった。
どっちに転がっても悩むのなら、やってみてから悩んでみよう。
「芽衣ちゃん、桃子ちゃん、詩ちゃん」
私ははっきりとした口調で名前を呼んだ。
「私はみんなと友達になりたいです……!」
思いのほか、反響してしまった声にそれぞれが顔を見合わせた。
「いいよ。なろう。響が行きたい場所も苦手なことも教えて。あと、ちゃん付けは少しずつでいいから外してくれたら嬉しい」
世界は広がる。自分の勇気で。
私は今日、初めての友達ができた。