「響、うちらの話聞いてる?」

ハッと我に返ると、友達三人が私のことを見ていた。「ご、ごめん。なんの話だっけ?」と聞き返すと、友達は渋い顔をして眉を寄せた。

「前から言おうと思ってたけど、響ってうちらといる時無理してるでしょ?」

「え……」

勘づかれたというより、ついに言われてしまったという気持ちのほうが強い。

「遊んでても(うわ)の空っていうか、いつもつまんなそうだよ」

「それは……」

「うちらのこと友達だと思ってる?」

当たり前だと言いかけて、自分にストップをかけた。

私はタイミングよく声をかけられて、このグループに入った。

二年前、私は人間関係なんて(わずら)わしいだけだと思っていた。

けれど、旭に会って人の温かさを知った。

だから、歩み寄ることを覚えようと。その努力をしてみようと思った。でも……。

「私、友達っていうのがなんなのか、よくわからないんだ」

好かれなければ一緒にいられない。嫌われたらそこで終わり。友達はわかりやすくて繊細で、とても難しいものだ。