……響は今なにをしてるだろう。
クラス会には行ったんだろうか。
おそらくだけど、早坂に会って俺が来ないことを知って、そのまま帰宅した可能性が高い。
あの時、倒れなければ俺たちは確実に二年ぶりの再会ができるはずだった。
なのに俺の頭にいる彼女は今も十四歳のままだ。
色々悩んで、やっと会う決心をしてたっていうのに結果がこれだ。
……俺たちって、会えないようにできてるのかもしれない。
――『旭が幸せそうでよかった』
ふと、彼女に言われた言葉が頭を過る。
友達がいて、環境にも恵まれていて不満もない。でも、幸せかと聞かれたらきっと違う。
俺は十七歳で人生を終わりにしたくなんてないし、もっとやりたいこともあるし、幸せはこの先にあるって思っている。
できることなら、もう一度響に会いたい。
空白の二年間は埋まらないけれど、あのふたりで過ごした季節を越えたいって思う。
今の彼女のことを知るためには、まず自分が話さなきゃいけない。
俺は震える指先で、彼女に向けて文字を打ち込んだ。
【大事な話がある。時間がある時でいいから電話しよう】