俺は病院のベッドの上でスマホを見つめる。消灯時間が過ぎている病室は空調の音がわかるほど静かだった。

あのあと母さんも病室にやって来て、すぐに検査をした。肺のCTを撮ると影は以前見た時よりも倍に膨らんでいた。

このままだと肺以外の場所にも影響が出てしまうかもしれないと言われ、切除するなら早いほうがいいと告げられた。

こっちだって取れるもんなら今すぐにでも取りたい。

でも手術が成功しても俺が生きている保証はない。

右肺を切除したあと俺が自分で呼吸できる確率はどのくらいあるのかと聞いた。

明確な数字は出せないけど、俺の弱った気管から推測すると三十パーセントだと言われた。つまり、手術をしても七十パーセントの確率で俺は死ぬということだ。

そう考えると自分から死に向かうより、その時を待ったほうが長く生きられるかもしれない。

どっちに転がっても命のカウントダウンは見えている。

そういうギリギリのところに俺は立っているんだと思うと、大声で叫びたくなる。