合コンは男性陣が六名、女性陣が私とゆかりを含めた六名の男女ちょうど半々で行われた。

 遅れて到着した私も混ぜて改めて乾杯をする。そのあとはテーブルの料理をつまみつつ、近くの人と適当な会話を交わす。時々、遠くの席の男性がわざわざ私の席まで移動して話し掛けに来てくれた。

 テーブルに並んだお皿の料理も徐々に空になってきた頃、私はちらりと腕時計に視線を落とす。

 二十一時前になり、そろそろ帰りたいところだ。私はこれから一時間ほどかけて千葉の自宅へ帰らないといけないから。

 いつもなら飲み会でどれだけ帰りが遅くなっても私には由貴ちゃんのマンションがあった。でも、今日はあのセカンドハウスにも帰れない。こんな状況で由貴ちゃんを頼ることなんてできない。

 明日も仕事があるし。ここまで参加したんだからそろそろ帰ってもいいよね。

 私は鞄とコートを手に取るとそっと立ち上がる。男性と会話を楽しんでいるゆかりのもとへ近づいて帰ると告げてから個室を出た。

 出口へ向かって店内を進んでいると、後ろからパタパタと足音をさせてゆかりが追いかけてくる。